当ガレージでは一番の高額車、BMW850Csi(6速M/Tで超レアな車両です)にHIDキットを付けました。
とある水曜日、仕事も一段落して、取引先へ出掛けている最中、電話が・・・
「今日お忙しいですか?僕の車にHIDキット付けられますか?」
実は私、HIDの事は知っていましたが、その構造の事はよく分かっていなかったので、「時間掛かるかもしれませんよ」と答えると「今から行きます」との事。
お客様のお休みが水曜日なので、なんとしても今日中に取り付けなければなりません。
工場に戻り待つこと30分。深い青色のBMWがやってきました。いや〜いつ見てもでかい・・・
早速、HIDキットを見せてもらうと案外簡単そうな配線で、「よっしゃ。やりましょ」となりました。
具体的に取り付けるものは、バルブ本体、インバーター(っていうの?)、リレー、バッテリー直の電源、その他配線です。
まず、ノーマルのヘッドライトバルブを外します。この車両はリトラクタブルライトなのでキーを切るとライトが下がってしまいます。よって、緊急用のダイヤルを回しアップ側固定にします。でもよく考えたら純正のヘッドライト線をスイッチ信号として使用しなければなりません。んで結局、ライト本体をアッセンブリーで外すことにしました。
右側のヘッドライトを外しにかかると、興味津々のお客様が左側を外そうとしています。「ア〜待って・・・両方一緒にばらしたら、分からなくなった時、元に戻せなくなる〜」
ライト本体を外したらノーマルバルブを外しHIDバルブを取り付けます。けど付かない。ナンで?と思ったら穴が少々小さいみたいです。「この穴少し削っても良い?ノーマル付かなくなるかもしれないけど」と私。
|
|
「いいっすよ。ガンガンいっちゃって」とお客様、なんと気前のよい返事。決して安くはない車なのに、やすりやリューターをあてる事に何の躊躇もありません。意地でも取り付けたいみたいです。
こうなったら話は早い。バルブが付くまで穴を広げ無事装着。それからバルブの線と純正ライト線をライトボディーから外に出す必要があります。
ここは純正配線の通る穴を利用して外に出し、純正配線をリレーへ。HIDバルブ線をインバーターへ繋ぎますが、またここで問題発生。そのインバーターを取り付けるスペースがありません。
水がかからない場所、それも重量があるのでしっかりした場所に付けなければなりません。
お客様と一緒にあーでもない、こーでもないと悩む事約1時間。やっと取り付け場所が決まりあとは配線を取り回すだけ。
配線の取り回しはお客様に任せ、私は反対側のライトに同じ事をします。ホントはもっと色々苦労したのですが、書ききれないので・・・結線に間違いないことを確認し、ライト本体を車両に取り付けいよいよライト点灯!
最初は青白い光を出して、そのうちに稲妻のごとく真っ白な閃光を放つ怪しいBMWを1台作ってしまいました。
後は光軸を調整して、出来あがった頃には11時を回っており、辺りは既に真っ暗です。お客様が工場の廻りを一周、「うん、これならよく見える。前のは暗かったからね」と大変喜んでお帰りになりました。
そうです。これがKNSのポリシーです。今お乗りの車の不満点を解消して、新たなカーライフのお手伝いをさせてもらいます。そのための無理もききます。全力でお応えします。これも立派なカスタムです。一緒に創っていきましょう。
|