インプレッサエンジンO/H(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)

インプレッサエンジンO/H(1)


当ガレージには、たまにこんな車も入庫します。

これは、チューニングメーカーからの依頼です。ド新車なので相当気を使います。(中古でも気を使ってますよ)

内容は、エンジン脱着分解、排気量アップです。イイですよねェ、新車からこんな改造できる人がいるなんて…(まァこんな人がいるからウチが商売していけるのですけど)

面倒くさい所は省略させていただきます。(写真撮るのを忘れました…)ご了承下さい。ご質問のある方はメールにてお問い合わせ下さい。分かる事でしたら対応させていただきます。

では早速、エンジン降ろしまーす。スバルはボンネット外さなくてもほぼ垂直に開きますので困る事はありません。
バッテリーを外し、水、オイルを抜いて、インタークーラー、マフラー等をチャッチャと外します。センターパイプ(触媒)はターボ直後から外す為、まずはターボの遮熱板を外さなくてはなりません。んで、またこいつが立体パズルのようになっており、かなり苦労(私だけ…?)します。古い車輌ならボルトの1つ2つは折れるかもしれません。

次は配線、配管関係を一式外します。具体的にはバッテリーの後ろにカプラー2つか3つ。運転席ストラット付近にカプラー1つとターボソレノイドの配管2本。オルタネーターカプラーとB端子。エアコンカプラー、スターターカプラーとB端子とアース。ヒーターホース配管2本と、まァこんなもんです。細い純正アース線等もいくつかあるかもしれませんが、それらも忘れずに外します。(はっきり覚えてません)要はエンジンの周りに手を入れて1周すればOK!

ほんで、クラッチレリーズフォークの軸を外します。この車輌はプル式クラッチを採用しており、ベアリングがカバーにくっついているので、ここで縁を切らないとエンジンが降りません。(裏技はあるのですが…)
外し方はスターター本体を外し、10mmヘキサゴンレンチにて蓋のようなボルトを外す(かなり硬い時あり)と軸があります。それにネジが切ってあるのでM6のボルト(通常頭が10mmの物)をねじ込み引っ張り出すだけです。


次はパワステベルト及びポンプ本体とオルタ本体を外し(配管はそのままでエンジン脱着時は横に避けておきます)エアコンベルトを外し、コンプレッサー本体をブラケットごと外します。ブラケットはエンジン脱着時に使用しますので、またエンジンに付けます。ディーラーさんではエアコン配管を外し(当然ガスは抜けます)コンプレッサーごと脱着するそうですが、ガスがもったいないので…

あとは、ミッションとエンジンの結合ボルト、ナット合計8箇所(スターター部含む)を外してエンジンマウントナット2箇所を外してエンジンを吊り上げます。
幅広エンジンなので横にぶつけないように気を付けて、ゴソゴソすること約5分でハイこの通り!

取りあえず今回はここまで。次回は分解です。

インプレッサエンジンO/H(2)

前回はエンジンを降ろすところまでいって、写真ではすでにエンジン台にマウントされてましたが、この時にクラッチカバー、クラッチディスク、フライホイル等は外してあります。

フライホイルを外したら、オイルセパレーター(1)とピストンピンサービスホールカバー(2)を外しておきましょう。

写真は少々見難いですが奥がオイルセパレーター、手前がピストンピンサービスホールカバーです。オイルセパレーターを外すと14mmのヘキサゴンレンチを使う蓋が見えるので、これも外してクランクを回転させてピストンピンが見える位置にして、ピストンピンサークリップを外します。

ピストンピンサービスホールカバーを外すといきなりピストンピンが見えるので、こちらもサークリップを外します。


さてここからエンジン分解です。


特にこれと言って決まった順番はないのですが、私はまずターボから取り外します。エンジン降りていれば特に難しくありません。付いてる物を外せば良いだけ!

ただ、非常に高温になる部分ですのでボルト、ナットに充分潤滑剤を吹き付けておきましょう。



続いてインマニを外します。これは良く見れば分かりますが、点火コイルを含めAssyで取れます。

エンジン後方のカム角センサー2個(左右1個づつ)とインテークカムの可変バルタイソレノイド用カプラー2個。左バンクのカム角センサー1個。あと、クランク角センサーカプラー。ノックセンサーカプラー。オイルプレッシャースイッチカプラー、水温センサーカプラー。スロットルボディーに入ってる水のホース2本を外し、点火コイルをヘッドから外します。

後はインマニ取り付けボルトを外したら、ごっそりインマニが取れるはずです。


次は、エキマニをAssyで外します。これは何のコツもありません。ただちょっと重たいだけ。


これでエンジンはかなりスマートになります。

インプレッサエンジンO/H(3)

インマニ、エキマニが外れたら、ついでにウォーターアウトレットパイプやその他の配管、ノックセンサーやオイルプレッシャースイッチ等、邪魔になりそうな物は全て外して丸裸にします。

続いて、クランクプーリー及び、タイミングベルト等をチャキチャキ外します。クランクプーリーの回り止めは特工があるのですが(自作・写真)、ない場合はフライホイルを仮止めして回り止めすると良いです。

プーリーが外れたら、ベルトカバーを外します。んで、ベルトを外す前にカムプーリーのボルトを先に緩めておきましょう。(緩めるだけです)

理由は、カムプーリーのボルトが非常に固く締まっており、また特工のフィットが悪いので、万が一スベッタ時にバルブやピストンにダメージを与えないようにするためです。



IN側、EX側共に特工があります。

まずIN側は可変バルタイ機構の為、ボルトに蓋がされていますのでそれを外します。(オイルが出てくるのでベルトに付かない様に注意)



ここで、特工をかけてボルトを緩めます。

ボルトは10mmヘキサゴンなのですが、かなり固いのでフィットの良い信頼性のある工具を使います。


EX側はプーリー自体が樹脂なので特工のフィットが大変悪いです。

しかも、軽くスベッタだけで欠けます。慎重に緩めます。



次はベルト本体を外します。

ベルト脱着は指定されたタイミングがあるのでそこに合わせます。(1番トップではありません)


いよいよベルトを外します。

ベルトプーリーはクランク1ヶ、カムシャフト4ヶ、テンショナー1ヶ、ウォーターポンプ1ヶ、アイドラー4ヶとたくさんあります。走行の多い車はカムとクランク以外、全て交換した方がいいです。

んで、ベルトを外す時はオレンジ色のアイドラーを外します。するとベルトのテンションに余裕が出るのでパッパ−と外します。その時、向かって右のカムプーリーがクルッと回転します。(左側は回りません)

ベルト類が一式外れたら次はヘッドの取り外しです。


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