ホンダビートを小改造




(左が持参されたパーツ)

当ガレージ入庫率No.1のホンダビートです。この車、毎回入庫するたびに進化していくのですが、今回の依頼は大容量ラジエータ装着とFrボディー補強バーの製作取付けです。

オーナーさんが水温の上昇を気にしておられて、持参されたのがこのパーツ。



(上が持参されたパーツ)

パッと見た感じは全くのノーマルなのですが、その厚さの違いは見ての通り。これは良く冷えそうです。なんでも銅の3層だとか…

では早速取付けます。純正ラジエータを手際良く外し、電動ファンや水温センサーなどを移植しますが、ここで問題発生!ラジエータの厚みが増した分、電動ファンがコアに干渉してしまいます。

そこで、ファン取り付け部にスペーサーを挟み、高さを稼いでナンとかクリアしました。
ファン取り付け後のラジエターは、ボディー側にはどこも干渉することなく取り付けることができました。

次はアッパーホース、ロアホースの取り付けですが、オーナーさんの依頼によりノーマル新品に交換します。
いい傾向ですね。こういう時に換えておけば工賃を節約することができます。また、不具合が発生してから交換するのではなく、何かのついでに、事前に作業しておくことで車が長持ちします。

新品ホースはさすがにしっかりしていて装着するのも大変です。こんなにしっかりしたホースならわざわざ外品に変える必要もないと思います。
やっとホースを装着した所でまたまた問題発生!!

ラジエータが厚くなった分、ホースの曲がりが若干きつくなってしまいました。結局、少々ホースを切って、きつくなった曲がりを解消し対処することができました。

ノーマル以外の部品をつけるといろいろ問題が起きますね。しかし、店主はこういった小手先の帳尻合わせが結構得意です。


そんなこんなで無事、取り付け終了。あとは外した部品を元に戻して水を入れてエンジン始動!

水漏れもなく、水温も安定しています。また、容量が増えたことにより、電動ファンが回り出してからの水温低下が早くなりました。とりあえず効果はありでしょう。この夏は乗りきれそうです。


次に、ボディーの補強バーの製作取り付けです。
ラジエータの前に少しスペースがあるので、ここにサブフレームの左右を繋ぐバーをいれてやろうって魂胆です。

世の中にはこれらのパーツがとっくに売られているらしいのですが、ここはオリジナルにコダワリます。

用意する物は鉄のアングル材とパイプ。経年劣化による寸法誤差を考慮して、現車合わせで寸法取りします。

当ガレージには溶接機がありますので、金属の切った貼ったは案外気楽にできます。また、溶接機は事情により既製品が取り付けできない時にも大活躍です。

まずアングルを左右のサブフレームに被せるように置いて丸パイプをその間に少々きつめの長さにカットして押し込みます。

左右のテンションで宙に浮いている丸パイプとアングルを、車上にて仮溶接します。


仮溶接できたら車両から取外し、本溶接します。後は錆びないように塗装してできあがりです。

作業性を考えて今はボルト止めですが、最終的にはボディーとガッチリ溶接止めしたいと思います。これでFr廻りの剛性アップは間違いなしです。

当ガレージはこんなパーツ製作も行います。『こんなの作って』『こんなのできないかなァ』という依頼も歓迎します。アイデアはあるけど作ることができない、という方、ご連絡下さい。なるべく形にします。

ただし、あまり器用ではないので、仕上りに文句はつけないで下さい…

 

(c)KNS 2004